石徹白(いとしろ)地区。この地区の住民みんなが出資する小水力発電の計画が始まっています。2007年から試験的にマイクロ水力発電を導入し、2011年には上掛け水車を設置。発電された電気は農産物加工場でトウモロコシを使った特産品づくりに役立っています。
Iターン(都市からの移住)の平野さんらがきっかけとなり、地元の有志が手作りでスタートした小さな取り組みが、少しずつ発展してきました。新たな小水力発電は朝日添川(わさびそがわ)から取水している一号用水の水を使い、2016年の運転開始を目指しています。
地域への効果、成功のポイント
設置費用は、75%を県や市の補助金で、残りを日本政策金融公庫からの4千万円の融資と、地域の各世帯からの2千万円の出資でまかないます。
これまでの小水力事業と同様に今回の事業の収益も、農業の6次化や新規就農への支援、用水路の維持管理などに使う予定です。
この事業を始めるためには、地域全体の合意が必要でした。初期段階からみんなで話し合い、新たな農業協同組合を立ち上げ、同時に県や市との連携体制も作りながら、資金を調達して事業化にたどり着きました。地域のための事業を自らが動かしていくプロセスが垣間見えます。地域での様々な取り組みにより、子育て世代の移住や視察の増加につながっています。
導入したい方へのメッセージ
小水力発電を始めるためには、冷静な計算が不可欠ですが、ポテンシャルがある場所なら、地元でやろう!と決断すればできるものです。地域での自主財源を持つことにもつながりますので、ぜひ取り組んでみてください。
NPO法人地域再生機構ウェブサイト http://chiikisaisei.org/
農林漁業者等が再生可能エネルギーに取り組む際に参考にしていただくためのガイドブック「農山漁村が生み出す再生可能エネルギー 〜地域の未来はあなたがつくる〜」より転載。