コミュニティ・ハッピーソーラー(CHP)と名付けられたこの仕組みは、ふるさとの自然を守り、社会と産業を維持・振興しようと頑張る地域を応援するために作られました。
まず地元中心に寄附や資金を集め、地域と連係して太陽光発電を設置します。その後は、地場の特産品の御礼を送ったり、地域の農林水産業へと支援を返していきます。CHPを進める一般社団法人徳島地域エネルギーは再エネを社会に普及させるためのコーディネートなどを担うべく2012年に設立されました。これまで佐那河内村、牟岐町などでの太陽光発電事業を支援してきました。
地域への効果、成功のポイント
佐那河内村の発電所では、設置費用約3,700万円のうち300万円を県民中心の寄付金でまかなっています。発電が始まると、2年目から5年間、売電収入で地元の特産品を購入し、寄付した人に贈ります。これは農業への経済効果とともに、地元のおいしい物産のファンを増やすことにもなります。7年目からは、売電収入から経費を差し引いた分を、地域の基金に寄付するかたちで支援を行います。公共的な事業であるからこそ、漫然とした事業計画で進めるのではなく、建設経費を切り詰め、分割発注なども行っています。地域に還元する利益を最大にするためのこうした工夫が事業成立のポイントです。
導入したい方へのメッセージ
CHPはやりがいがあり、比較的大規模な再エネ事業による地域振興の決め手です。あなたの地域でもぜひ取り組んでください。(徳島地域エネルギー事務局長 豊岡和美さん)
一般社団法人徳島地域エネルギーウェブサイト http://www.tene.jp/
農林漁業者等が再生可能エネルギーに取り組む際に参考にしていただくためのガイドブック「農山漁村が生み出す再生可能エネルギー 〜地域の未来はあなたがつくる〜」より転載。