設立趣意書
2011年3月11日、マグニチュード9という未曾有の巨大地震が東日本を襲った。この日は、明治維新、太平洋戦争終結に次ぐ、日本の第三の転換期として歴史に刻まれるだろう。中でも、分散型の再生可能エネルギーを中心とするエネルギー政策への見直しは、待ったなしと言える。
ところで、2010年に入って、欧州の研究機関・自然エネルギー産業団体・環境NGO・政府機関などから、2050年あたりを目途とする「再生可能エネルギー1005シナリオ」が、立て続けに発表された。これまで、技術的・経済的・社会的などさまざまな理由から再生可能エネルギーを主役とすることは「現実的ではない」と言われてきた。しかし、再生可能エネルギーへのシフトが大きな潮流となり、この変革が農業革命、産業革命、IT革命に次ぐ「第4の革命」だという認識が世界中で広がりつつある。それを裏付けるように、世界では、風力発電や太陽光発電が目を見張るほど増えつつあるだけでなく、再生可能エネルギーへの投融資も年率30%を超える急成長が続いている。さらに2010年には国際再生可能エネルギー機関(IRENA)が設立され、世界規模で再生可能エネルギーを普及させる機運が高まっている。
一方、この世界の急成長に対して、日本国内では再生可能エネルギー普及のための政策が立ち遅れてきたことは否めない。しかしながら太陽光、風力、地熱、小水力およびバイオマス等による発電の日本国内での導入ポテンシャルはいずれも非常に大きく、政府としてこれら全量全種の再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)の法制化が進められ、地域からの再生可能エネルギーへの期待は、ますます強くなりつつある。さらに、太陽熱、地中熱およびバイオマス等の再生可能エネルギー熱利用についても大きな可能性と期待がある。また、再生可能エネルギーが基本的に地域分散型のエネルギーであることから、地域が主体となって生み出したエネルギーを利用できるようになり、自らエネルギーの選択と責任を広く市民のものとすることができる。
その中で、2008年に任意団体としてスタートした「自然エネルギー政策プラットフォーム(JREPP)」は、日本国内の再生可能エネルギーの様々な事業者団体などを中心に、議論や政策への提言などを重ねてきた。ここに、日本国内において再生可能エネルギーの導入が飛躍的に進むための仕組み作りについて、オープンな議論および実践の場とするための新たな組織として「一般社団法人日本再生可能エネルギー協会(JREP: Japan Renewable Energy Platform)」を設立し、その趣旨に賛同する団体や個人の参加あるいは協働を求める。
2011年9月14日
一般社団法人「日本再生可能エネルギー協会」発起人一同
発起人(順不同)
- 浅井俊二(ソーラーシステム振興協会 顧問)
- 安達正畝(日本地熱開発企業協議会 会長)
- 飯田哲也(特定非営利活動法人 環境エネルギー政策研究所 所長)
- 斉藤哲夫(一般社団法人 日本風力発電協会 企画局長)
- 笹田政克(特定非営利活動法人 地中熱利用促進協会 理事長)
- 末吉竹二郎(一般社団法人 自然エネルギー財団 代表理事、国連環境計画・金融イニシアチブ 特別顧問)
- 鈴木亨(特定非営利活動法人 北海道グリーンファンド 理事長)
- 泊みゆき(特定非営利活動法人 バイオマス産業社会ネットワーク 理事長)
- 中島大(全国小水力利用推進協議会 事務局長)